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COLUMN

2019.07.22海外情報

脱プラスチックゴミ活動が盛り上がるベトナム ブランドイメージにも影響か

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こんにちは!
クリスク・ベトナムのリエンです。

2019年5月末、ベトナム人インフルエンサー達のニュースフィードに『#19020challenge』というハッシュタグ付きの投稿が溢れました。



「19020(190から0に)」とは30日間で平均のごみ量を0にすることを指します。インフルエンサーたちは若者たちの環境問題への意識を高めるため、この脱プラスチックチャレンジに参加を決めたのです。その背景には、ベトナムが世界の海洋プラスチックごみ発生国第4位だと発表されたことが関係しています。調査によると、ベトナム人は1人が1日あたり190グラムのプラスチックごみを捨てているそうです。


引用元:The Countries Polluting The Oceans The Most

プラごみ制限の対策として、プラスチック製容器包装をステンレス製やガラス製などに切り替える『WeDo - プラスチック泥棒』という挑戦も、『Kenh14』という若者向けベトナム人気メディアが主導し行われています。


個人が社会を変えるーゼロ・ウェイスト



ベトナムのお店では、ビニール袋やプラスチックストローを頼まなくても店員は当たり前のように差し出します。もちろん無料なのでみんなもらいます。ある時、私が「袋はいりません」と言ったら、店員に奇異な目で見られたことがあります(笑)。それほど、ビニール袋はベトナムや世界中の人たちにとって日常生活に不可欠なものになってしまいました。

しかし2019年になり、ベトナムでは業界を問わずに『脱プラスチック』というプラスチック製品の使用を最小限にする動きが広まってきています。


動画⇒https://www.youtube.com/embed/pNW6LvuKUCY

一番注目を浴びているのは『ゼロ・ウェイスト(Zero Waste)』という風潮で、これは文字通りゴミの出ない生活のことです。ベトナムは少し世界の潮流に乗り遅れましたが、最小限主義(Minimalism)のもと、環境に配慮するため無駄やごみ、浪費を無くす生き方を志向するベトナム人がどんどん増えています。

その影響を受けて、外出する際、自分のボトル・ストロー・エコ買い物袋をチェックすることは私自身の習慣になりました。ゼロ・ウェイストを主張する人たちのように、歯磨き粉さえも自分で作るほどではありませんが、日常生活の中でごみを減らす意識自体も非常に大事だと考えます。


SNSでつながり盛り上がる


ベトナムは2009年に、WWEが行う、1時間の消灯により地球温暖化防止と環境保全の意志を示す、ソーシャルグッドプロジェクト『アース・アワー(Earth Hour)』へ初めて参加しました。

そこから若者たちの環境保護への態度に大きな変化が起きたとされています。「個人が行う小さな変化が環境全体にどれほどの影響を与えるものか」といった考え方から、「小さなエコ活動でもやりがいがあり、文句を言うよりもやったほうがいいだろう」と考えが変化。

SNSを通じて自分に不要なものを他の人に無料で手放したり、環境清掃活動で人を集めたりするグループがどんどん増えてきました。



最近では、アジア各国での異常気象や空気汚染がメディアを大いに騒がせています。環境問題が悪化している状況で、エコなお店は「格好いい」、プラスチック製品の使用を減らすことは「現代的な生き方」として評価されているのです。

Buzzmetricsにより発表された2019年4月の注目SNSキャンペーンのトップ10には『ごみ片付けチャレンジ』というキャンペーンが3ヶ月連続で2位に選ばれました。このキャンペーンで使われたハッシュタグ(#ChallangeForChange、#TrashTagなど)が付いている投稿の反応率は非常に高く、大勢の芸能人やインフルエンサー、ブランドが参加しこのキャンペーンの成功に多大な貢献をしたと考えられます。




個人だけではなく企業にもエコ経営が広がっている


夏が長いベトナムでは冷たい飲み物を飲むのが日常的ですが、道路に散らばっている有名ブランドのロゴが付いたコーヒーカップやペットボトル飲料、お弁当の発泡スチロールパック、持ち帰りのドギーバッグなどを見れば、プラごみ廃止における飲食店の役割と責任を考えさせられるでしょう。


ベトナム・飲食店の変化


引用元:https://www.thecoffeehouse.com/

5月のはじめに、店内での飲食なのにプラスチック容器のみで提供しているお店や、来店客が自分で持ち込むボトルを断るカフェのボイコットを呼び掛けるFacebookコミュニティーがネットで話題になりました。



その一方、食べられる米粉製ストロー及びバガス容器の販売はベトナムメディアに取り上げられ、SNS上でもバズって圧倒的な応援を受けました。

飲料とセットになったストローやカップを無くし地球への思いやりをアピールするのは、将来的なブランドイメージ戦略でも肝心なことの1つと言っても過言ではないのです。


ベトナム・スーパーの変化


ホーチミンのスーパーの紙製の包装容器(筆者撮影)

私が最近、よく通っているカフェやスーパーの容器や包装が変わっていることに気づきました。4月10日から小売大手のサイゴン・コープ(Saigon co.op)スーパーは、使い捨てストローの除去から始め、プラスチック包装やビニール袋の代わりに生分解性袋の提供を開始しました。プラスチック製の販売を5月から全店舗で中止するとのこです。

同様に、ロッテ・マート(Lotte Mart)もホーチミン市の店舗ですでにビニール袋からバナナの葉など野菜の包装に切り替えました。小売大手ビッグCもハノイ市で、とうもろこし粉製の生分解性袋の使用実験を開始しています。


ファッション・コスメ業界の変化

ベトナムの調査サービス「Q&Me」の調査によると、回答者の52%は1ヶ月で衣服や靴を一回以上購入。化粧をしない人は2016年の24%から2019年には14%に減少していることが分かりました。

国内企業による数多くのブランドが登場しているベトナムでは、「環境を大切にすること」が競争に勝つために大事な要素になっています。



2018年、サステナブルなファッションブランドを目指すH&Mはハノイとホーチミンの店舗に古着を持ち込んだ人に15%の割引券を渡すという古着回収プログラムを展開しました。交換できる衣類はH&M以外のブランドでも問題ないという。



また、『innisfree』や『Kiehl’s』といったコスメブランドも、使い切った空容器のリサイクル活動を開始。持ち込んだ空き容器の個数によって、スタンプ(ポイント)やサンプルがもらえるというプログラムです。参加者だけではなくスキンケアやマークアップに興味がない人からの反応も非常に積極的でした。

参考)
So thich va thoi quen mua sa'm hang thoi trang cua nguoi Viet
ベトナム化粧品市場2019


政府の対応にも変化が


プラスチックゴミによる環境汚染が深刻になっている状況に対して、ベトナム政府は国内におけるプラスチック規制強化を進めています。

2019年5月頭から、ハノイのホアンキエム湖ウォーキングストリートや旧市街では、路上のポイ捨てに罰金が課されることになりました。また、ホーチミンでは、6月1日から家庭ごみの分類が義務付けられることになりました。日本人から見るとリサイクルのためにごみ分類は当たり前でしょうが、ベトナム人にとってはそれが常識ではなかったのです。

6月16日には、トゥアティエン=フエ省人民委員会から『ビニール袋にノーと言う』といった社会運動に賛同し、省内職員や関係各局の職員は会議などで使い捨てボトルやプラスチック製品使用が禁止されることが明らかになりました。


ベトナムのエコトレンドは無視できない



引用元:http://vnews.gov.vn/mo-hinh-phat-lan-di-cho

ひと昔前は、ご飯もどんぶりを持って買いに来る人が多かったです。私が小さい頃には、おばちゃんや主婦がプラカゴ持って朝の買い物をしていた姿は今までも記憶に残っています。いつの間にかこのエコな習慣がなくなってしまいましたが、2018年末からまた新たなトレンドとしてカムバックしました!

環境配慮商品の需要に応じたスタートアップ企業が増えてきた事実から見れば、ベトナム市場では「環境配慮製品」の付加価値が高まり、ビジネスチャンスの拡大につながることが期待できるでしょう。

(編集/きたざわあいこ)


この記事を書いたのは・・・
写真クリスクベトナム スタッフ
Vu Thi Phuong Lien/ヴ ティ フオン リエン

プロフィール:https://www.clisk.com/column/people/2969.html



※本記事は、株式会社クリスクより掲載許可をいただき、同ホームページにて公開されている記事を転載したものです。

▼今回の元記事
脱プラスチックゴミ活動が盛り上がるベトナム ブランドイメージにも影響か
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株式会社クリスク

クリスクは、WEBメディア事業、ソーシャルメディア事業を展開しています。
2010年からは、東南アジアでも事業展開を行っています。
現在は、タイのみならず、ベトナム、マレーシア、インドネシア、台湾など、東南アジアを中心とした様々な国において、WEBマーケティングをはじめ、漫画の現地語翻訳や各国の市場調査など、幅広く事業を展開しています。

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