【平成30年度税制改正】
◎収益認識に関する会計基準の新設
(ポイント)
・契約において取り決めた財又はサービスを顧客に移転する約束をした時点で収益を認識
・当該会計基準の適用は上場会社、金融商品取引法開示企業、会社法大会社。中小企業(監査対象法人以外)については、従前どおりの企業会計原則に則った会計処理も可能。
①資産の販売等に係る収益の認識時期(法法22の2③、及び同カッコ書き)
②資産の販売等に係る収益の計上額(法法22の2④⑤)
③現物配当等に係る収益の額(法法22の2⑥)
④返品調整引当金廃止(旧法法53)
⑤長期割賦販売等に係る収益及び費用の帰属年度の特例(旧法法63)
上記①~③までの改正は法人の平成30年4月1日以後に終了する事業年度の所得に対する法人税から適用。
(各論本編)
一 長期割賦販売等、工事等の損益
1 長期割賦販売等
(間違えやすい事例)
○長期割賦販売等の特例は、確定した決算において経理することが要件となっているのに、申告調整により適用している法人計算をそのまま認めているもの(法63①)。
○延払基準を適用する場合は、長期割賦販売等に要した原価の額に手数料の額を加算して計算すべきであるのに、これによっていないもの(令124①、基通2-4-3、基通2-4-4)。
○延払基準を適用する場合において、長期割賦販売等に係る資産の評価減否認又は認容等があるときは、これらを調整した税務計算上の金額によるべきであるのに、これによっていないもの。
○延払基準を適用する場合において、下取資産を時価以上で引き取った場合は、その時価を超える部分の金額を、販売等をした資産の値引きとして取り扱うべきであるのに、これによっていないもの(基逋2-4-6)。
○前期において延払基準を適用することができないものとして、その未実現利益を否認した場合に、当期において、その未実現利益のうち当期の入金額に対応する部分の金額を法人が利益に計上しているときは、その利益に計上した金額に相当する額を当期において認容すベきであるのに、これを認容していないもの。
○延払基準の方法による収益の額及び費用の額の計算において、法人が継続して差益率のおおむね同じものごとに一括計算をしている場合には、その計算が認められるのに、これを否認しているもの(基通2-4-5)。
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税理士
伊藤俊一税理士事務所 代表税理士。
1978年(昭和53年)愛知県生まれ。税理士試験5科目合格。一橋大学大学院修士。都内コンサルティング会社にて某メガバンク案件に係る事業承継・少数株主からの株式集約(中小企業の資本政策)・相続税・地主様の土地有効活用コンサルティングは勤務時代から通算すると数百件のスキーム立案実行を経験。現在、厚生労働省ファイナンシャル・プランニング技能検定試験委員。
現在、一橋大学大学院国際企業戦略研究科博士課程(専攻:租税法)在学中。信託法学会所属。