Mizuho Short Industry Focus 173号
短期原油価格見通し~世界の石油需給動向と2019年度の原油価格見通し~
2019年5月30日 発行
【要約】
◆原油価格は、2018年10月から2018年12月にかけて約4割下落した後、世界の石油需給バランスの供給超過是正を背景に2019年1月以降は上昇に転じ、足下ではBrent価格が約$70/bbl、WTI価格が約$60/bblの水準で推移している。
◆世界の石油需給バランスは、「OPECプラス」による減産、及びイラン・ベネズエラにおける生産量減少により、2019年第1四半期以降均衡に向かいつつある。今後の石油需給は、需要の堅調な増加、米国の経済制裁の影響によるイランの原油生産量の一層の減少等が需給をタイト化させる要因となる一方で、増産余力を有するサウジアラビア等のOPEC産油国が需給をバランスさせる役割を果たすものと予想する。
◆2019年度の原油価格は、供給超過が是正され需給が概ね均衡して推移することを想定し、現在の価格レンジ内で横這いから緩やかに上昇して推移するものと予想する(【図表1】)。
※本記事は、みずほ銀行より掲載許可をいただき、同行ホームページで公開されている記事を転載したものです。
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