MENU MENU

COLUMN

2019.05.21企業再生・経営

金融機関交渉Q&A vol.41

  • 資金繰り

本コラムは、当社「日税主催研修」「日税オンデマンド」でも講師としてご活躍いただいている(株)事業パートナーの代表取締役社長・松本光輝先生に、300社を超える会社の再生の成功体験をもとに、金融機関交渉に関してQ&A形式でまとめて頂きました。この情報が関与先様へのアドバイスの一助となれば幸いです。



■現状
業種:設備工事業
年商:4億円
借入残高:1億3,000万円
連帯保証人:社長46歳
後継者候補:長男19歳、次男17歳

■相談点
受注工事とネットによる集客を行っている。受注工事の粗利率は良いが、ネットによる受注は順調なのだが、利益率が悪く薄利多売になっている。
これにより、利益率が20%から10%に半減してしまい、前期より現状毎月約120万円の赤字を抱えている。
来月には、600万円の資金ショートが資金繰り表で見えておりどうしたら良いか分からない。
社長は、もう事業を辞めたほうが良いのではないかと考えている。


■アドバイス
社長の経営力のなさと経営の仕組みがないのが問題なだけで、2、3年あれば立ち直ることができる。

①最大4,000万円の月間資金繰りを見直して、それぞれの支払いを遅らせることに併せて、入金を早めてもらうことで資金ショートを防ぐ。


②銀行へ毎月300万円ずつ返済しているが、この返済を一時的に待ってもらう。

・返済を3ヶ月待ってもらい、その間に認定支援機関に経営改善計画書をつくってもらい、金融機関に提出する。

・経営改善計画書の中身はというと、1年間は返済を待ってもらい、2年目は半分支払い、3年目から毎月300万円の返済計画とする。

・支払いを止めたことにより、300万円×12ヶ月=3,600万円は手元に残るので資金ショートは防げる。


③返済を止めている間に、どんぶり勘定だった経営を経営改善計画に基づいた経営を行い、利益率を元に戻すことで経営を立て直すことができる。





vol.28以前のコラムは、日税ビジネスサービスのホームページにて、「日税メールステーション」バックナンバーページに掲載しています。
日税メールステーション 『金融機関交渉Q&A』バックナンバー


松本 光輝

株式会社事業パートナー 代表取締役40年にわたり、飲食業を中心に会社経営。バブル崩壊時に25億円の負債を抱え、その後3年半でその負債を解消する。2003年より、事業再生請負人として全国行脚中。この間、依頼先の多くが1~2ヶ月以内に、資金ショートに陥るおそれがあるという危機的状況の中から、1社も倒産させることなく、300社を優に越える会社の再生を成功させる。
◎過去の経験を活かして、中小企業経営者の最高の相談者となるべく、活動を続けている。
◎経営者はもとより、幹部社員の皆様・社員の皆様の声をくみ上げ、共に全社一丸となった再生を達成すべく、全力で取り組んでいる。着手後、30日以内に再生計画を作成して、実行に移している。
◎会社を3年かけて再生させる独自の再生術は、他に類を見ません。