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COLUMN

2019.05.09税務コンサルのポイント

所得金額に対する税率

  • 富裕層コンサルのイロハ
  • 所得税

(間違えやすい事例)

○資本金1億円超の法人であるのに、資本金1億円以下の法人に適用される税率によっているもの。

資本金が1億円以下の法人には、年800万円以下の所得に対しては区分した税率が適用されるが、資本金1億超の法人については、この適用がありません(法66②、143②)。


○外国法人の資本金の額は、本店の貸借対照表の資本金の額とすべきであるのに、日本支店の貸借対照表の本店勘定の額としているもの。

外国法人の資本金は、当該事業年度終了の日の電信売買相場の仲値により換算した円換算額によります(基通20-5-36)。


○大法人との間に当該法人による完全支配関係がある、又は完全支配関係がある複数の大法人に発行済株式等の全部を保有されているのに、資本金が1億円以下であることをもって軽減税率を適用しているもの。


○還付税額については、100円未満の端数を切り捨てないことになっているのに、切り捨てているもの。

還付税額は、1円まで還付することになっています(通法120①②)。


(検討の仕方)

○資本金の額による税率の適用は正しいか、貸借対照表の資本金の額と照合します。


○完全支配関係がある法人の有無について、別表二及びグループ法人の系統図(法規35四)の添付の有無から確認し、有りの場合には、その中に大法人が含まれているか及びその大法人による完全支配関係があるか成立しているか検討します。


○法人税関係特別措僚の適用を受けている場合、「適用額明細書」の提出があるかを確認し、申告書別表(1)1と照合します(租特透明化法3①)。


(解説)
法人税率は、法人の種類や資本金による区分、事業年度によって次のとおりとなっています(法66、措法42の3の2、平28年改正法附則26)。



(注)

①外国法人の各事業年度の所得に対する法人税率も上記区分の率と同様です(法143、措法42の3の2)。

②平成22年4月1日以後に開始する事業年度において、大法人(資本金の額又は出資金の額が5億円以上である法人等)との間に当該法人による完全支配関係がある普通法人については、年800万円以下の部分の軽減税率の適用はありません(法66⑧二、143(⑤二、措法42の3の2)。

③平成23年4月1日以後に開始する事業年度において、完全支配関係がある被数の大法人に発行済株式等の全部を保有されている普通法人については、年800万円以下の部分の軽減税率の適用はありません(法66⑥三、143⑤三、措法42の3の2)。




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伊藤 俊一

税理士
伊藤俊一税理士事務所 代表税理士。
1978年(昭和53年)愛知県生まれ。税理士試験5科目合格。
一橋大学大学院修士。都内コンサルティング会社にて某メガバンク案件に係る事業承継・少数株主からの株式集約(中小企業の資本政策)・相続税・地主様の土地有効活用コンサルティングは勤務時代から通算すると数百件のスキーム立案実行を経験。現在、厚生労働省ファイナンシャル・プランニング技能検定試験委員。
現在、一橋大学大学院国際企業戦略研究科博士課程(専攻:租税法)在学中。信託法学会所属。